『必要とされなかった話』がすごすぎる!
例えば小学生の頃、授業で何かのゲームの拍子に、
「はーい、じゃあ適当に誰かと二人ペアになってー。」
って言われたときのドキドキ感って、覚えているでしょうか?
もしかしたら、一度もそのドキドキ感を味わったことのない幸せな人もいるでしょう。
毎回ドキドキしていた人もいると思います。
「二人ペア」になれなかったときの悔しさ、恥ずかしさ、その絶望感といったら、小学生にはトラウマになる恐ろしさ!
で、情報考学さんのとこで紹介されていたこのマンガを読んだら、そんなことを思い出したんです。
これ、すごい。
『必要とされなかった話』

- 作者: 三友恒平
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/04/28
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 36回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
タイトルからぶっちぎってすごい、このマンガ。
舞台は食料が底をついた村。口減らしのために、村人の誰からも「必要とされなかった人」が村を追放されて、山に捨てられる。
主人公の少年は両親がおらず、これまで姉と二人で必死に暮らしてきた。しかし、その姉は近々結婚する夫を「必要な人」として、主人公は誰からも「必要とされなかった」。山に捨てられてから、主人公は何度もその手の小刀で自殺を図ろうとするも死にきれず…
表紙絵の陰鬱とした感じと第一話の展開から、てっきり主人公の恨みつらみや、一緒に捨てられた人々との裏切り合いの人間模様かと思っていました。しかし、意外や意外な主人公の成長物語。誰からも必要とされなくて生きる意味をなくした主人公が、捨てられた山で自分を必要とするものと出会い、さらに「誰かに必要とされること」に頼らず、自分で生きる意味を見つけていく。
サバイバル環境で生きる意味を見つけ出していく創作って、結構やりつくされた感があるけれど、これは一巻でキレイにまとまっていて名作です。
IKKIって全然読んだことないけど、こんなマンガがあったとは!
↓同じ作者の短編集、こっちも読んでみたいです。

とても透明でやさしいしあわせ (IKKI COMIX rare 7)
- 作者: 三友恒平
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/05/07
- メディア: コミック
- クリック: 44回
- この商品を含むブログ (6件) を見る