スプラトゥーンで学んだ、人間というものに対する気付き
スプラトゥーンをやっていると、これまで生きていてなかなか気付かなかったいろいろな発見があります。「たかがゲームで」って思うかもしれません。僕ももちろんそっち側の人間だったのですが、しかし、数百時間もやっているといろいろと思うところがあるのです。そして、なぜこれを突然書いているかというと、今日は Splathon というスプラトゥーン企業対抗オフライン大会があって、気持ちが高まっているからです。
理論を分かっていてもなかなか実践できない
スプラトゥーンには、いろいろなセオリーがあります。「打開時は味方と一緒に打開する」「短射程は敵に気付かれてから接近しない」「高台から降りるときはまず足場を確保してから」などなど。スプラトゥーンをやっている人にはありがちな悩みですよね?
やってない人からすると、「それはただ下手なだけだろ」と思うかもしれません。もしかすると上記がきちんとできる人もそう思っているかも。でも、自分が感心したのは、頭で考えるよりも人間は癖みたいなものをとっさに修正できないんですよね。
以下の記事で、脳内のリソースがどうとか書きましたが、それと関係している気がします。 charlie.hatenablog.com
他のことにいっぱいいっぱいになっていると、それ以外のことを複数個も考えて判断できなくなるんですよね。スプラトゥーンをやっているとそれを如実に実感できます。
じゃあこれを解決するにはどうすればよいか?というと、今の所僕は「慣れる」しかない気がしています。そして一つずつ「考えなくてもできる」レベルに自分の週間を変えていくしかないです。
ビジネス書とかでもよくいろんな理論が書いてあるじゃないですか?でもそれを実践しない人がほとんどって意見を聞いたりします。例えば僕は営業なので心理学の本とかをよく読むんですが、あれもなかなか実践できないのって、「意識しなくても実践できるようになるまで」継続して意識し続けられていないのが問題なのかなぁなんて思ったりします。
自分は自分が考えているほど冷静な人間ではない
上記と関連してですが、感情をコントロールするのがこれほど難しいとは思っていませんでした。たぶんスプラトゥーンをやる前は、誰しも自分は自分のことを理性的な人間だと思っているかと思います。僕もそうでした。でもそんなことはなかった。
ノックアウト負けしそうなときとか連戦しているときほど、上記のようなことを忘れがちです。また、負け続けたときとか、プレー時間が連続して長くなったときは、これが顕著です。自分では、この冷静さを失っているのってなかなか気付けないんですよね。常に冷静でベストを尽くしていると思いがちです。
でも、最近は録画ツールという便利なものがありまして、それで自分の動きを振り返ると「あ、ここは冷静じゃないなぁ」というのがとてもよく分かります。
これは自分だけかと思って悲しく思っていたんですが、そうでもないことに気付けたのも良かったです。最近はリスキル(敵が復帰地点から返ってくるときに不意打ちすること)が得意になってきたんですが、こっちが一方的に勝っているときの敵は目に見えてリスキルへの警戒がおろそかになっているんですよね。みんな同じでした。
これに対する対策の一つは、これまた慣れなんですが、もう一つあります。それは、チームの誰かからアドバイスをもらうことです。
スプラトゥーンでは一人でやる以外に友人とチームを組んでやるモードがあるんですが、その仲間からボイスチャットで「今ゆっくり攻めたほうがいいよ!」とかアドバイスをもらうとハッとします。チームに冷静な人や自分より経験がある人がいると、ためになります。
自分は自分が考えているほど、統計的思考ができない
スプラトゥーンって、トップに行くまでは誰もがだいたい勝率5割になるようにマッチングされています。勝率6割を超えるとウデマエという数値が上がり、強制的にうまい人達とマッチングされるようになります。なので、終わり無い5割マッチング、常に勝ち続けることは許されません。誰もが敗北を知りながらゲームを続けるのです。
しかし、多くの人は「味方がクソすぎてやられた」と思います。僕もそうでした。実際、ランダムでマッチングされる3人の味方が変な動きをして負けることってあるんですよね。これは事実です。
これに対してなるほどなぁと思ったのがこちらの動画。
ざっくり説明すると、「スプラトゥーンは味方がクソで負けることもあるけど、それも含めてマッチングなので、自分は常にチームで一番の動きをして勝率6割確保してウデマエを上げよう」というものです。なるほどです。
ちなみに上記の意見を分かっていた上で、やっぱり「味方クソだな」って思うとストレス溜まるのもまた興味深い事実です。実際は味方が神で勝つこともあるんですけど、人は自分が得したときより損したときのほうが強く印象に残ってしまうんですよね…
まとめ
ということでいろいろ書きましたが、まとめると自分は猿並みの脳みそしか持っていない、ということです。しかし、スプラトゥーンをやって良かったのはそのことに気付けたことです。それだけで猿より少し秀でているとも言えます。猿は猿ですが、考える猿です。これからも精進します。
書籍要約アプリ「flier」がここ一年ぐらいで最高のサービスだから是非紹介したい
flier という神サービスに出会いました。ここ1年ぐらいの中で、文句なしに一番のサービスです。これはすごい。ぜひ伸びてほしい。
紹介したいかっていうと、どちらかというと自分だけの秘密にしておきたい。でもこういう良いサービスもユーザーがつかないとあまり発展せず、尻すぼみで消えていくのが多い。だから頑張っておすすめします。みんな、使いましょう。
どんなサービスか?
ざっくりいうと、本の要約サイトです。
はい、「うわ、くだんね〜何番煎じだよ!」って思った人!ちょっと待って!僕も最初はそう思いました。
でも違うんです、何番煎じかで、ついに本物が来たのです!使えるやつが!
何が良いかっていうと、まずはその前にね、サイトに行ったりアプリを落としてみて、一つ要約を読んでみてくださいよ。
・ ・ ・
わかった??
クオリティが高いんです!
そう、今までも似たような「本のまとめを読もう」というサービスはありました。でも、何が駄目だったかというと、書いているのが素人だったり、選書が古臭かったり偏っていたりしていたんです。また、サービスのインタフェースがクソなのもありましたね。でも、flier はすべてが良い感じにまとまっているのです!
それもそのはず、flier ってちゃんとライターが書いているんですね。クオリティが高い!おまけに、出版社が出したりしているわけではないので、幅広い書籍が並んでいながらも、ビジネス書に特化しているのが良いです。
そもそも、どういう人が flier を使うべきか?と言ったら「そこそこビジネス頑張りたくてビジネス書も読みたいんだけど、なんかめんどうで本を読む習慣がない人たち」です。これ、たぶん月に1冊以上本を読む人の10倍ぐらいいそうな気がします。僕もその一人です。
なんで読むのめんどくさいかっていうと、長いんですよ、本って。あれ、「絶対あんな長さいらんだろ」って量で書いてますよね。端折れるはずなのに、書籍としてリアルで出すにはそれなりのページ数がないと売れないもんだから、書いちゃう。もくは、まぁ重要っちゃ重要だけど 20% の分量で 80% の内容をカバーできそう。
なので、もしビジネス書を読む習慣がなくて、でも知っておきたい場合、この flier は相当おすすめです。ちなみに無料だと読める範囲に制限があって、読み放題だと月 2,000 円。え、高いって?たぶん高いと思った人には向きません。でも、ある程度働いていたら 2,000 円より時間のほうが大事に感じるはず。この flier を使えば、一冊 4 時間かかるような本が 10 分で読めちゃうのです。しかも、サマリーなのでめちゃくちゃ読みやすい。20 分の 1 の時間で、だいたい 8 割ぐらいの内容が入ると思ったら、安くないですか?しかもビジネス書読み放題ですよ。すごい!
「内容把握するだけなら、レビューサイトや Amazon のレビューでも読んでればいいじゃん?」って思う方もいるかもしれません。でも、これはレビューサービスではなくて要約サービスなのです。そこが大きく違う。レビューだと、どちらかといえばレビュアーの意見が中心になります。それって本のエッセンスからは外れてしまうんですよね。でも、要約サービスはライターが褒めたり批判したりするために書いているのではなくて、あくまで時短でエッセンスを把握できるように書いています。なので、極力ライターの感情が排除されていて、ノイズが少ない。
アプリもあるよ
こんな感じです。
普段は僕はアプリを使ってます。そして、アプリの使い勝手もなかなかです。
特に良いのがこのように最後にコメントが書けて、それをマイページの一覧で振り返られるところ。
よくないですか?これよくない?よくなくなくなくな ry
インプットした情報って、何かにアウトプットしないと忘れちゃうんですよね。なので、僕は毎回コメント付けています。一覧にしたら振り返られるので、あとから「あー、この本読んでここが良かったなぁ」っていうのを簡単に思い出せます。
課題
さて、いろいろ褒めちぎりましたが、まだ出たばかりのサービス、改善してほしいところもたくさんあります。
僕がパッと見て感じたのが4つあります。
1つ目、遷移が遅いです。
WebView なので仕方ないのかもしれませんが、全体的に遅いです。特に画面上部のメニューを選択やスライドをしたときに、「ん?」って違和感があるひっかかりが気になります。このメニューはめちゃくちゃ使うので、ここが遅いのは全体の UX にすごく影響しています。
2つ目、コメント一覧の設計が良くないです。
まず、コメント一覧にたどり着くのに TOP 画面からマイページを選択して、読み込んで、そこから下にスライドして「コメント一覧」を探してやっとたどり着けるんですよね。もっと一発でたどり着けるようにしてほしい。
また、コメント一覧が古いものから順に並んでいるのも微妙です。たぶん、僕これ2〜3ヶ月も使ったら100個以上コメント行っちゃいそうなんですよね。そうすると、最近のコメントを見返そうと思ったら地獄のスクロールをしないといけません…
これやるなら、左上のスライドメニューに入れるとかしたらいいのに…ちなみに現状はスライドメニューに微妙なボタンを全部突っ込まれてますが、これはデザイン上やっちゃいけないことだと思いました。
3つ目、ランキングがあまり役に立たなそうです。
ランキングの基準は読まれている数なのかと思いますが、有名な本が並んでいるだけで有用とはあまり思えません。それよりは、自分にカスタマイズされたレコメンドとか、読者が「この要約を読んで良かった!」と思えるものを並べてほしいと思いました。 ここは実装難しそうなので、今後長い目で改善されるとすごく便利になりそう。
4つ目、たぶん出版社側の意図としても、この要約を読んだ結果、いいと思った書籍を実際に買って欲しいのかと思いますが、現状あまりそうする気になれません。
というのも、この要約の出来が良すぎて、それで満足しちゃうんですよね。書籍を購入する導線を作るなら、「書籍を変えばこういった部分を詳しく書いてある」という差分も提示してくれると嬉しいです。
さいごに
良いサービスです!おすすめです!
いろいろ注文も書きまくっちゃって、中の人見ていたらごめんなさい。でも、本当にひさしぶりに「これはすごい!」と思えるものに出会ってしまったので、書いてみました。ちゃんと儲かって続けてください。
2018年におもしろかった漫画まとめ
はじめに
2018年におもしろかった漫画を書きます。あくまで2018年に僕がおもしろかった作品なので、2018年に出たかどうかは関係ありません。ということで既に有名な作品も多いです。 あと、作品が未読の人でもつまらなくならない範囲でネタバレしていきます。
はじめの一歩
- 作者: 森川ジョージ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/11/16
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いきなり最初に例外を書きます。「おもしろかった」ではなく「おもしろくなりそうだった」漫画です。でも、2018年に大きな動きがあった作品ということで書かざるを得ません。 はじめの一歩って漫画は今の若い人にはどういうポジションなんでしょうか?僕としては完全に全盛期を過ぎた作品です。しかし、その全盛期は僕ら30代の漫画少年にすさまじいインパクトを残した気がします。いまでも幼児はドラゴンボールのかめはめ波のマネをするそうですが、僕ら30代にとって、それと並ぶのがダイの大冒険のアバンストラッシュとはじめの一歩のデンプシーロールでした。今でももし暴漢に襲われたらいつでもガゼルパンチを打つ準備はできているし、死角からドラゴンフィッシュブローを打ってそれを顎先に掠めれば脳を揺らせると信じています。ワンツーは同じ軌道で打つと強いというのも一歩で学びました。
しかしですね、そんな一歩もマガジンの意向なのか作者の意向なのか知りませんが、漫画界で伝説となるレベルの引き伸ばしをし続け、徐々につまんなくなり始めました。一歩が日本チャンピオンになって2〜3戦はおもしろかったのですが、そこからはずっとワンパターンの戦い。「早くライバルの宮田と世界戦やって終われよ」と全国民が思っていたことでしょう。リアルな時間にして20年ぐらい…おい、まじか。そりゃ今の若い子は置いてけぼりだわ。
そして、ついに2018年初頭に引退してしまいます。宮田と戦うこともなく、よくわからんポッと出の兄ちゃんに負けて引退。なめてんのか。
いやいや、でもようやくあのよく分かんないエンドレス防衛戦地獄を抜け出したので、新しい展開が来る…!と期待も半分ありました。
しかし…
一年経っても…
まだ戦わない…!
どういうこと!?なんでセコンドになって後継者育てる流れになってんの?そこは「パンチドランカーになったけどラスト一戦を宮田と戦いたい」とでも言って一発かませば勝っても負けても全員すっきりこの物語の呪縛から逃れられるのに?
すんのかい!?せんのかい!!
もう20年待ってる物語がやっと動き出しそうで、今年に入ってからずっとはじめの一歩を追い続けています。昨年とかまではちょいちょい漫喫で読むぐらいでしたが… でも未だに全然話が動かない。これなんなの?誰がどういう気持ちで読んでんの?誰か止めて!平成終わるどころの騒ぎじゃないよ、このままじゃ次の年号でも終わらないよ!?
ていうか今 Amazon のリンク貼って気付いたんですが123巻も出てんのかい。やばい。
ワールドトリガー
こちらはずっと休載していた作品が動き出したということで、とてもめでたい話。しかも、再開してもクオリティが全く変わらず相変わらずのおもしろさです。
- 作者: 葦原大介
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/12/04
- メディア: コミック
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ワールドトリガーについては、すべての部分がおもしろすぎるので細かく書くとそれだけで3時間ぐらいかかるのでやめときますが、とにかくいまだにおもしろいです。19巻、ずっとおもしろい。
Dr.STONE
- 作者: Boichi,稲垣理一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/12/04
- メディア: コミック
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ワールドトリガーが残念ながらジャンプSQに移籍することが決まり、ハンターハンターもいつやるのかまた分からない状態となって、「そろそろジャンプ買うのやめるかぁ」状態の僕の心を必死でつなぎ留めているのがこの作品。
最初の頃は癖が強すぎるのと情報量が多すぎて「どこをおもしろポイントとしていいか」が分からなかったのですが、村ができて多くの人を巻き込んで文明を創り始めるところから飛躍的におもしろくなりました。そうか、これは科学文明の発達を追体験する物語だったのか。元理系の物理少年だった自分としてはたまりません。自分の子供が生まれたら読ませたい作品。
科学ネタもそれ自体知的好奇心をくすぐるおもしろさがあるのですが、それとともに主人公の千空やその仲間たちから感じる「科学や文明へのリスペクト」がたまりません。 フィクションの世界って、とかく科学や文明より「人の心」とか「生命の神秘」とか「自然の豊かさ」が美しいものとされるケースが多いですが、僕は生まれてから一度もそう思ったことはなくて、科学って人間が数千年以上かけて知恵と努力を結集させた素晴らしいものだと思っています。科学っていうと大げさですが、誰かと協力してチームで知恵を駆使して何かを作っていくところでしょうか。人類は偉大です。
ちなみに、科学への情熱の物語は、多少ややこしいものの少年ジャンプレベルの熱さを兼ね備えています。 すごーく前に以下の記事でサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」について書きましたが、同じ作者の「宇宙創成」や「暗号解読」が同様のノリでとてもおもしろいです。
- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/01/28
- メディア: 文庫
- 購入: 12人 クリック: 394回
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- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/06/28
- メディア: 文庫
- 購入: 30人 クリック: 216回
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マイホームヒーロー
- 作者: 山川直輝,朝基まさし
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/09/06
- メディア: Kindle版
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ヤングマガジンで第二部が始まりましたね。ぱちぱち。推理小説好きのお父さんが娘に近づくヤクザの彼氏を殺して完全犯罪するお話です。 安定した画力と展開で、とにかく初回からずっとおもしろいです。ずっとおもしろい、これすごい。 彼氏が死んだことで犯人を追求するヤクザとの騙し合いになるんですが、毎週毎週これはもう駄目だろって追い詰められるのにいろんな機転を利かせてそれを乗り越えるので、読む手が止まりません。現在6巻まで出ていますが、未読の人はお正月に一気読みしましょう。 誰かを殺してしまったときの証拠隠滅の参考にもなります。大事な娘さんがいる人は必見です。
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿
マイホームヒーローと違って、こちらは完全にコメディ漫画。あの「金田一少年の事件簿」を犯人視点で描く物語です。 子供の頃読んだ金田一に対して、こう思ったことはありませんか? 「こんなトリック普通思いつかんよなぁ…これができれば実は完全犯罪って簡単なんじゃない?」 ところがどっこい、完全犯罪って大変なんですね。これを読めば分かります。例えば…
全編こんな裏話が楽しめます。 幸運なことに、僕は初期の金田一を全巻読んでいるので「あー、あれあったね!たしかに大変そう!」と膝を打つネタばかりでした。
正直、金田一本編よりおもしろいぐらいです。この漫画のために金田一を読み返したい。最近名作のスピンオフが「トネガワ」以来増えてますが、玉石混交な中で、これはトネガワに匹敵する出来栄えです。
テセウスの船
- 作者: 東元俊哉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/09/22
- メディア: Kindle版
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1989年に北海道で起こったある小学校の無差別殺人事件。その容疑者は事件後28年経っても容疑を避妊していて、息子である主人公が過去にタイムスリップして真相を 確かめるお話。
北海道、殺人事件、タイムスリップ…あれ、これ「僕だけがいない街」にそっくりじゃねーか!と思いますが、読んで見ると不思議と中身が全然違うことが分かります。あっちは誰かを救うお話ですが、こっちは父親の真相を確かめる(≒冤罪を晴らす)話。似てるけど、作品を読んだときの感情が違うんですよね。誰かを救いたいのってすごく前向きな正義感ですが、真相を確かめるのって、もっと不安を伴ったドロドロした感じです。 父親への思いとか、僕の好きな映画「オーロラの彼方へ」にちょっと似ているかも。
「テセウスの船」とは、「ある物体(オブジェクト)の全ての構成要素(部品)が置き換えられたとき、基本的に同じであると言える(同一性=アイデンティティ)のか、という問題」という意味。(Wikipedia より) 今の所タイトルの意味が大きく物語に影響してないんですが、これからきっといろいろあるんだろうなーとめっちゃ続きが気になる作品です。
ゴールデンゴールド
- 作者: 堀尾省太
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/12/21
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同じ作者の前作「刻々」がプチヒットしましたが、今度は打って変わってバトル要素一切無しの不思議サスペンスです。変な人形の「フクノカミ」を海で拾って家に置いておいたら、突然、金運がめちゃくちゃ上昇しまったある島の旅館のお話。世にも奇妙な物語にありそう。
このフクノカミがめちゃくちゃ不気味で、今のところほぼ人畜無害(多少死人も出てますが)でみんなが儲かるただそれだけ。なのに、だんだんと島の人達が金儲けが楽しくなっちゃって、おまけにフクノカミ的思想に染まっていっちゃうんですね。それを主人公の少女・瑠花と島に来た旅行者だけが、染まらないので、不安にかられるという。 よくありそうな話ではあるんですが、この作者の素敵なところはそのバランス感覚。みんな大人が冷静で常識的なんですよね。物語の都合で一方的にフクノカミを「悪」と決めつけなかったりする。
読者視点だと、先程の死人が出た話とか知ってるので明らかに「フクノカミは悪!」って思うんですが、主人公たちはいまいち自信を持てないまま、変わっていく島を見守るしかないっていう。
これ、たぶん「カルト宗教」とか「儲け話」の比喩なのかなぁと思います。例えば家族が怪しい不動産投資とか宗教にハマったとして、それが完全に悪いことかどうかって不完全な情報しか持ってない他人には何も言えないところ、あるじゃないですか。結局は本人が幸せなら良いかもしれないし、本当に儲かるかもしれない。そういうの。
灼熱カバディ
- 作者: 武蔵野創
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/02/12
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こちらも既に長期連載で前々からずっとおもしろいのですが、今年に入ってようやく大会での試合に入って熱量が段違いになりました。(練習試合だとどうしても緊迫感が無いっていうね…) 灼熱カバディはカバディ漫画にあってカバディ漫画にあらず。すべてのスポーツ漫画に共通する努力・友情・勝利が備わっています。たまたま題材がカバディなだけです。 この漫画の好きなところは、登場人物にほぼ噛ませ犬がいないところですね。敵も味方もエースも雑魚キャラも、勝っても負けても全員かっこいい。そのため、主人公は作品中10分の1ぐらいしか活躍せず最近はもっぱら空気。でも、それがいい。
毎週火曜日にマンガワンで更新中。0時を回ったら灼熱カバディを読みに行くのがルーチンになっています。
付き合ってあげてもいいかな
付き合ってあげてもいいかな (1) (裏少年サンデーコミックス)
- 作者: たみふる
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: コミック
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こちらもマンガワンの作品。百合というジャンルがもはや漫画・アニメ界で一大ジャンルとなっていることは知っていたのですが、生まれて初めてぐらい百合漫画をおもしろいと思って読みました。
大学生の冴子と みわ が付き合う話です。
題材は百合なんですが、それよりもド直球の恋愛漫画だなぁという感じがします。それも、あんまり無い「付き合うまで」を描くんじゃなくて「付き合ってから」を描く漫画。 付き合ってから本当に好きなのか悩むところとか、セックスするのに悩むところとか、もしこれが男女の普通のカップルだったら今さら過ぎて物語にならないところを、百合という一つのフィルターをかますことで、そういうありきたりさも新鮮に感じます。
ちなみに、この漫画を読んでから「あれ、百合漫画ってこんなにおもしろいの??」と思ってひたすら百合漫画を買い漁ったおかげで、今僕のKindleが大量の百合漫画で埋め尽くされています。でも、いろいろ読んだけどこれが一番おもしろい。
進撃の巨人
- 作者: 諫山創
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/12/07
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いまさら過ぎる漫画です。しかしながら、連載開始からずっとおもしろい漫画が2018年に入っていろいろな謎が解明されて世界も広がって、さらにおもしろくなるって偉大すぎます。 初期の頃のパンチのある巨人への恐怖感は薄れてしまったものの、全く別の異世界戦争ものとしてさらにおもしろくなってきているのって神ですね。 どこまで初期からこの構想を考えていたんだろう…と頭が下がります。もう27巻です。でもずっと物語の綻びが出ないまま続いています。
「巨人の謎が解けたらやることあるのかな」と思ってましたが、この漫画のうまいところはここで「○年後」を挟んできたことですね。 同じ時間軸でやるより、その○年の間に登場人物の成長や思惑の変化があって、新たな謎が生まれて緊張感を持って楽しめました。
20巻ぐらいで飽きてやめちゃった人も、またおもしろくなるので続きを読んだほうがいいですよ!!
さいごに
だんだんと感想の文字数が少なくなっていくのは、ただ単に書いてて疲れてきただけです。作品のおもしろさと相関はありません。
ではみなさん、よいお年を。
世界の片隅でのオンラインeスポーツの話(Splathon Online League)
前の記事でも書きましたが、企業対抗のスプラトゥーン・コミュニティの Splathon に参加しています。 今回はそこでの企業関係なし、ウデマエをある程度同一になるように揃えてのリーグ戦「Splathon Online League(通称:SOL)」のお話です。スプラトゥーンやってない人にはなんのこっちゃ分からないと思う記事です。
ただ、めちゃ楽しかったので今後への記録と、運営の方へのお礼も込めて書きました。
SOLとは
Splathon は企業対抗戦なのに対して、SOLは参加希望者のウデマエを聞いた運営が企業をシャッフルしてチームを組みます。全14チーム56人。そこからスイス・ドロー形式で一ヶ月・全4戦した中で順位を決めます。
僕は S+勢なのですが、チームはだいたいがX上位、X中位、X下位、S+以下で組まれます。なので、ぶっちゃけめちゃレベル高い。(当社比)
特徴的なのが、あらかじめ「第○戦はこのルール・このステージ」と決まっていること。そのため、練習して対策を練れる部分が大きいのが特徴です。イコール、チーム内外での交流が生まれやすかった。試合前はオンライン上で練習試合が多数組まれて、某チームは毎日練習していたようです。強い。
チーム構成と自分なりの生存戦略
僕以外全員ウデマエX経験者のもちもちこさん、mgiさん、しらたまさんと、S+の僕。
- もちもちこ:エクスロ、ローラー、スシコラなどルール・ステージに合わせてなんでも使えるリーダー
- mgi:黒ZAP
- しらたま:主にクアッドホッパーブラック
- チャーリー:普段はスパッタリー or スパッタリー・ヒュー。ただし今回はSOLではほぼおちば。
という構成でした。
最初の練習のときに思ったのが、全員めちゃくちゃうまい。僕は普段スパッタリーでS+のときはキルレ 0.9 ぐらいなんですが、このメンバーとリグマしたりSOLの他チームと練習したりすると、だいたいキルレ 0.3 ぐらいに下がります。やべぇ。 0.3 だと、だいたい 3 キル 8 〜 10 デスに落ち着くんですが、その 3 キルも本当にお情けなおこぼれキルで、潜伏して接近したホッブラに相打ちも取れずデスしたりするぐらい力の差がありました。やべぇ。 なんで至近距離でもこんなに勝てないのかはちょっと今でも意味が分からず、謎です。動き方にそんなに差があるのか? しかし、このままではお荷物でしかない。この SOL はガチ対抗戦というよりはエンジョイ目的という趣旨だったのですが、それでも少しはチームに貢献したい。 ということで、ここで僕の大好きなワールドトリガーの言葉を思い出します。
この SOL 、上に書いたとおり必ず相手チームにも自分と同程度のウデマエの人がいるんですね。なので、チーム内で一番活躍するよりも「自分は格上と戦わず、同格よりいかにうまく立ち回るか」や「いかに格上と長時間対面していられるか(時間稼ぎ)」に目標を置き換えました。
また、もう一つ、スプラトゥーンはキルを取ることがかなり重要なのですが、その他に「塗り」と「オブジェクト管理(ホコやヤグラ進めたりすること)」も必要です。僕はキルでは絶対負けちゃうので、他で頑張ることに決めました。
ここで、「比較優位」という言葉を思い出しました。
簡単にいうと、「みんな、相対的に自分が得意なことをやろうよ」という話です。 たとえば、もちこさんの能力がキル:塗り:オブジェクト管理で 10 : 10 : 10 だとすると、僕は 3 : 7 : 7 ぐらいだとします。 そうすると、僕は全部の能力でもちこさんより劣っているものの、必ず塗りとオブジェクト管理が必要なこのゲームでは、僕はそれらに回ったほうがチームとしては得するということです。(もちこさんのリソースを僕が多少なりとも貢献できることに回させない)
ということで、ここで長年連れ添ったパートナーのスパッタリーから、別ブキへの乗り換えを検討することになりました。 それがおちばシューターです。
おちばシューターはスパッタリー同様短射程なのでキャラコンは似ているものの、トーピードによる索敵と遠距離からの嫌がらせ、メインの塗りを兼ね備えた、まさにキル以外で貢献しやすいブキでした。 おまけにバブルゴリ押しでガチアサリゴールできたりヤグラ維持ができます。
結果と感想
ということで、結果からいうと、3勝1敗で全体で4位でした!全勝は1チームのみだったものの、スイス・ドロー形式なのでいろいろなリザルトが影響して単独4位でした。 1敗は優勝チームに対してで、まさかの僕が風邪で寝落ちしてしまったためほぼ不戦敗という… (ちなみに、悔しかったのでエキシビジョンとして再試合を申し込んで先程終わりましたが、5-0でボロ負けでしたw)
ちなみに試行錯誤したおちばシューターは全体を通して大活躍、というわけではなく、相変わらずのキルレの悪さでした。かなり他の3人にキャリーしてもらった感じです。ただ、最終戦の最後の試合で、ガチアサリの最後の最後に3キル取れたのが、SOL 全体を通しての僕の一番のハイライトでした。奇跡。
15:00〜あたり
Splatoon2 #Splathon_Online_League3 [R4-27] おそろしくやべえTONY⚡ vs 麦茶付きおしるこ
1ヶ月ちょっと、4試合のみでしたが、とても素敵な経験でした。
僕は普段ゲーマーではないので、そもそも知らない人とゲームをするというのが新鮮でした。僕のチームはみんないい人ばかりで、明らかに僕が弱かったんですが、負けても特にきつく当たることなく、楽しくやらせてもらいました。(実際、スプラトゥーンやると結構脳みそ沸騰していくケースは多いので…) いろいろ僕が知らないことも教えてもらいました。 最初は知らない人と長時間ボイスチャットするのってどうなのかな、と思ってましたが、全然気になりませんでした。いいチームに恵まれただなんてありきたりな言葉ですが、それを踏まえてもやっぱりいいチームでした。
僕らはチーム全員、たぶんお互いの顔も本名も年齢も分からないのですが、何度か練習と試合を重ねるうちに、たしかに「仲間」感が生まれました。なので最終戦が終わったあとは達成感もあるけど、なんだか寂しい気持ちでいっぱいです。もうこのチームでやることはないのかぁと思うと、本当に一期一会。
この画像は、もちこさんが描いてくれたチームのイラスト。こんなの描かれたらキャラとギア変えられないですね…
麦茶付きおしるこチーム描いた!プリキェツさん、チャーリーさん、しらたまさん、ありがとう!#Splatoon2 #Splathon #sol3 pic.twitter.com/t4yuPjkBJt
— もちもちこ (@moti_motiko11) 2018年12月14日
最後に
運営の皆さん、ルールの試行錯誤やいろいろな調整等とても大変だったと思いますが、楽しい時間をありがとうございました。 また、SOL 参加者でもないのに練習に付き合ってくれた方や動画撮ってくれた方たちもありがとうございました。 感謝しか無いです。
TPS初心者がスプラトゥーンにドハマリした一年間の話
※これは、Splathon Advent Calender 2018 の8日目の記事です。前日のkoki_cheeseさんの記事はこちらです。
突然ですが、皆さんはこれまでの人生で一番ハマったゲームを覚えていますか? それは小学生のときでしょうか。中学生の時でしょうか。FFでしょうか。マリカーでしょうか。モンハンでしょうか。くにおくんでしょうか。
僕は明確に覚えています。それは今です。そのゲームはスプラトゥーン2です。
まさか自分がこんなにも一つのゲームにハマると思っていませんでした。今回は、そのことを長々と語りたいと思います。
読者対象がスプラトゥーンをちょっと知ってる勢で考えているので、全く分からない人は通じなかったらごめんなさい。
あと、上記 Splathon はスプラトゥーンの企業対抗コミュニティで、そこの方たちは僕より遥かに経験豊富なガチ勢が多いので、そういう方は入社3年目の社員が意識高くイキっているような目で温かく見守ってください。
スプラトゥーンにハマったきっかけ
元々前からゲームシステムがすごい!ということで知ってました。こんな記事です。
ゲーム好きならちょっとはこの話、聞いたことがあるかもしれません。僕もその一人でした。 でも当時 Wii U でスプラトゥーン出た時、Wii U を持ってなかったんですよね。なので Switch でスプラトゥーン2が出て、今年の1月からやり始めました。スプラトゥーン2ガチプレイヤーは1からハマっている人が多いので、割と新参者です。
初めてやった感想は、全然うまく動かせない!エイム当たらない!勝てない!そんなにおもしろくない!でした。
まぁ、でもそういうものですよね。TPS 経験ほぼ初めてなんですから。
仕方なくやり続けると、だんだんとウデマエ(スプラトゥーン内のゲームランク)が上がっていきます。Cから始まり、C+、B-に初めて到達したぐらいでしょうか。「あれ、これ時間かけたら俺でもAとかSとか軽々いけるんじゃね?」みたいな気になってきました。結局慣れとプレイ時間の問題かと。というのも、スプラトゥーンって1時間フルで勝ち続けるぐらいじゃないとウデマエが1つ上がらなくて、だいたい勝ったり負けたりだと運良くても2時間でウデマエ一つしか上がりません。それが4ルールあって時間交代なので、8時間やらないとウデマエ1つ上げられないんですよ。結局Sとかの人たちはプレイ時間かけてるだけか、そう思ったときに、事件が起こりました。それがこちらです。
社内スプラトゥーン大会の様子です pic.twitter.com/lq9poOpiuo
— 人事のかつまたさん (@shu_katsumata) 2018年1月18日
会社でスプラトゥーン大会をやったのです! で、そこにウデマエS+(当時)レベルが2人いて、その人とやってみると…
全く勝てねぇ…
異次元の強さでした。今ならそりゃB-がS+とやって勝てるわけねぇよって思うのですが、当時はイキっていたので、10回やったら1回撃ち勝てるレベルだろうと思うじゃないですか。でも10回やって10回完敗なんです。
なんで勝てないか不思議すぎたのでいろいろ聞いてみました。
「クリアリングが甘いんですよ」
「え、でも曲がり角でばったり遭遇して撃ち合ってもやられますよ?」
「置きエイムしてないんですよ」
「おき…えっ??」
「あと、射程管理できてないですし」
「でも僕が長いの持っても負けますよね」
「長いの持ってるのに相手と同じ射程に入ってるのでキル速とエイムで負けますよね」
「???」
とりあえず、ここで分かったのはスプラトゥーンは僕が思ったよりもっといろんな要素があるということでした。しかし、悔しい…一泡吹かせたい…ここから修行の日々が始まりました。
ウデマエ上達までの流れ
かけた時間
まず、ぶっちゃけプレイ時間は正義です。いろいろなサイトにも書いてありますが、500時間かけたら高い確率で何かのルールでウデマエ S+ までいけそうです。
参考はこちら。Wii U 版の話で、たぶんスプラトゥーン2ではもうちょい短い時間でいけるはず。
スプラトゥーンのプレイ時間とウデマエの関係について - ゲーム攻略研究所
僕の場合は、安定してB帯にいくのに100時間、安定してA帯いくのに200時間、Sに初めて到達が300時間、S+到達が350時間でした。
スプラトゥーンやってない人からすると、「え、ゲームでこんなに時間かけるの??」と思うかもしれません。
しかしですね、かかるんです。
そして、これだけ時間かかるというと、訝しげな顔をする人がいます。僕も以前はそうだったので、その理由を知っています。それは、「ゲームなんて単純なものなので操作の慣れ的なものだけでしょ?そんな単純作業の訓練に何百時間もかけるの辛くない?」というものでした。
しかし、これはちょっと違っているんですね。
以前、ちょっとゲーム業界で話題になった言葉で、こんなのがあります。
これはストⅡの話題で、ボクシングを揶揄するかのような話で若干炎上したのですが、スプラトゥーンもこんな感じです。
詳しく言うと、ボクシング的な対面バトルの要素と、将棋のようなマップ全体を見てルール上どう攻めるか考える戦略要素が混ざっているんですね。
- ボクシング要素:うまくキャラを動かして相手の弾を避ける、相手に弾を当てる etc.
- 将棋要素:マップを確認しながら相手の動きを読む、味方と呼吸を合わせて攻めるタイミングと方向を見定める、敵味方の生存数から有利不利状況を見定めて立ち回る etc.
もしこれが、「1対1で弾を当て合う」だけの的当てゲームだったらたぶん10時間ぐらいで飽きちゃっていたと思います。しかし、この将棋的な部分がものすごく複雑で、さらにこの「将棋しながらボクシングし続ける」のがとにかく考えることが多く、且つ上達まで時間がかかる=奥深さにつながっています。
僕はスプラトゥーンの上達のS+ぐらいまでは、常に脳内メモリを拡張し続ける&新しい戦術をインストールし続けるゲームだと思っています。
だいたい初めたばかりの頃って、相手を倒すことしか頭になくて、視界に敵が入ったら追っかけてキルを取る、って感じなんです。でもうまくなってくると、激戦区に移動する間にマップ開いて相手の位置把握して味方の人数も確認して自分のインク残量(弾数)確認して視界の様子から敵の潜伏先を把握しつつ隣の味方の動いている方向から挟み撃ちできる可能性を探しつつ万一潜伏されてないかクリアリングのボムを投げる、みたいなことをしています。
ウデマエCだと「敵発見→殺す!」のバーサーカーにしかみんななれませんが、ウデマエAぐらいになるとだいたい3つ以上の選択肢の中を頭に思い浮かべて、マップ開いたりして確認作業をしながら意思決定をしていくゲームになります。それがSを超える頃には、将棋でいう「定跡」みたいなものが敵味方全員でできてきて「考えるまでもなくここはこう動く」みたいなのが血肉になっていきます。
ちなみに、僕は今500時間かけて全ルール S+ 常駐できるようになったのですが、前述の Splathon のメンバーや社内で負けた人はその上のウデマエ X です。ウデマエはC、C+、B-、B、B+、A-、A、A+、S、S+0、S+1、…、S+9、X という流れ。なので、S+2 の僕は X までの道のりからすると、まだ半分をちょっと超えたぐらいなのです…死ぬまでに X に到達できるのかこれ。
ウデマエ上達のコツ
知ってる人と対戦しよう
さて、どうやったらウデマエが上がるか。一番は、誰かと定期的にやり続けるのがおすすめです。オンラインで知らない人とやっても良いのですが(こういうのを野良という)、野良はフィードバックがない&敵味方の意図が分からないので、なんで勝ったり負けたりしたかが分かりません。なので、知ってる友達や、今ならTwitterで検索かければ一緒にやる人を募集しているので、ぜひやってみましょう。 あと、知り合いとやるとLINEなどで音声通話しながらできるので、めちゃくちゃ楽しいです。「俺右抑えてるから左回ってて」みたいなのが野良だと意思疎通できないんですが、知り合いとならできる。これがめちゃ楽しいです。
あと、知り合いとやると負けたときのストレスが減ります。たぶん。野良だと味方が原因で負けることが結構あって、そのときのストレスがハンパないです。上述のウデマエ X の友人はストレスでコントローラを投げて壊したそうです。最初聞いたときは、なんて気の短い人なんだと思いましたが、今なら気持ち分かります。(たぶんX行ったことある人は全員同意する気がする…)
おすすめブキはスパッタリー
スパッタリーという超短射程ブキがあるのですが、これを使ってS+まで行きました。スパッタリーの亜種でスパッタリー・ヒューというのも良いです。あくまで僕のおすすめですが。
新しいタイプのブキ、マニューバーにも、いろいろなタイプのモデルが存在することが確認された。
— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2017年7月13日
これは「スパッタリー」。
軽量化によりクイックなスライドが行えることが特徴だ。
射程は少し短いが、鋭いスライドで相手の懐に潜り込み、高速連射で一気にトドメを刺そう。 pic.twitter.com/DjVliLczEm
このブキの何が良いかって、上述の「脳内メモリ」的なところで初心者において重要なウェイトを占める「射程管理」と「サブウェポンを使う選択肢」をほぼ減らせるんです。
なぜかというと、超短射程=選択肢が相手の射程より近づいてぶっころす、しかないんです。それだけ考えて、どうすればそれができるかにリソースをつぎ込むことができる。例えば定番ブキのスプラシューターとかだと、一般的な長射程ブキより短いので、それ相手には距離を詰めることを考えないといけない。でもボールドマーカーとかの、より短射程ブキには距離を取って戦わないといけない。これが初心者には結構たいへん。
また、スプラトゥーンにはメイン攻撃以外にサブウェポンとしてボムとかがあるんですが、スパッタリーはジャンプビーコンという「置いておくと味方がその位置にジャンプできる」サブしかありません。ボムがあると、「ここはメインで攻撃するかボムで攻撃するか」迷うときが結構あり、またボムを使いすぎてインク切れ(弾切れ)を起こす可能性もあり、「インク残量管理」も考えなければなりません。スパッタリーは常に背水の陣でメインしか選択権がないので、これもリソースかけなくて済みます。
何より、スパッタリー、かっこいいです。これ見てください。美しくないですか?
動画やネットの記事を見まくろう
僕もスプラトゥーンをきっかけに、初めてゲーム実況動画を漁るようになりました。おすすめがこちら。
安定のスパッタリー神、あしんさん。
マニュ系が上手くなるかも⁉あしんのためしうち!【全ルールウデマエX/スプラトゥーン2/実況プレイ/あしん】
教え方がうまいだっつさん。
【part4】B帯の視聴者を本気で指導してS+に上げる【実戦指導(1) - ガチエリア】
掛け合いがおもしろい裏切りマンキーコング。
【スプラトゥーン2】初手は攻め!ザップならではの戦略を示せ!【ウデマエXプレイ】
また、ネットの記事だと以下がおすすめです。
立ち回りとか。
データ集
Splatoon2 - スプラトゥーン2 攻略&検証 Wiki*
まとめ
まとめです。
SmartHRに営業として入社して1年の感想
あまりプライベートなことは書いて来ていないこのブログですが、株式会社SmartHRに入社して1年近くがたちましたのでその感想を書きます。
なぜ突然こんなことを書こうと思ったか。自分が転職とかをするときに単純にそういう「入社しました」記事ってネットにあまり転がってなくて、もったいないなと思ったからです。特に、エンジニアの人たちのはよくジョインしました系記事を見かけますが、営業に関してはホント少ない。この情報のあふれるインターネッツな世の中で、肝心なところが出ていないの、良くない。
それなら自社のブログとか転職サイトとかに書けば良いじゃんって思うかもしれませんが、自社のブログだとあくまで会社からの公的な発信になってしまうのでどうしても好き勝手書けない感があるし、転職サイトだとさらにその気があります。(あれって「読んだ人、来てね」って意図があるじゃないですか。)
なにより、これはSmartHRの人間としての発信というよりも、個人としての僕・チャーリーとしての人生の一時を過ごす会社としての感想を書きたいわけです。
前置きが長いので、検索とかでたどり着いた人は途中途中で読み飛ばしてもらえたらと思います。あと、気持ち悪いぐらいべた褒めしているんですが、ポジショントークではなくて全部本心で書いています。
簡単な自己紹介
これまで1社目が日系大手SIer、2社目が300人ぐらいの受託開発会社、どちらも営業やってました。34歳、既婚子無しです。
なぜSmartHRに転職しようと思ったか。
まず最初に、2017年の初めぐらいの頃、前職の仕事に飽きてきました。5年ぐらい務めていたので、何か違うことをやりたいな、と。
で、そのタイミングでたまたま友人とウェブサービスを作る話が出ました。いろいろ考えているうちにちゃんと会社を作ってやろうとなって、でもちゃんと儲かるか分からないので副業としてやっていこうとなりました。そのため、「副業OK」且つ「自分の時間がある程度取れそう」且つ「その副業に生きそうな、ウェブサービス運営の知見を学べるところ」を基準として転職先を探しました。(※ちなみにこの副業に関しては、いろいろあって後にサービス終了しました)
上記の候補ってそれこそ最近のスタートアップだと死ぬほどたくさんあります。でも、見た目イケてそうなスタートアップでも中に入ってみると散々だったって話も聞きます。転職って怖いなぁとも思ったのですが、一つだけ「ここは大丈夫そう」と思っているところを知っていました。それがSmartHRでした。
社長と副社長と執行役員が昔からの友人だったんですね。それこそ、起業する前なので今から7〜8年前から知っていて、最初大変だった会社が、どんなふうにうまく行き始めたかも知っていて。
口頭でどんな状況かもちょくちょく聞いていたのもありますが、彼らが頻繁にFacebookやブログやインタビュー記事で会社の雰囲気とか思想とかを公開していて、それが前々からイケているなぁと思っていました。
上の記事は2018年2月の記事なんですが、同じセリフは友人だった頃から10回は聞いた気がします。とにかく情報がオープン。たぶん社員への情報のオープン具合でいったら日本一なんじゃないかってぐらいに思います。自分はただの営業ですが、他の部署の情報もなんでも見れるのって、すごい勉強になりそう。
また、こんな記事もありました。
社長がわざわざ社員に評価されに行って、それを公開するのってヤバくないですか?どんな胆力だよ。
上記2つは社風に関してですが、事業としても「TechCrunch Tokyo スタートアップバトル優勝」、「IVS Launch Pad 優勝」、「B Dash Camp 優勝」とスタートアップのピッチコンテストの主要3大会で全部優勝して資金調達もうまくいっていて、これからも成長しそうな感じがハンパなかったです。
ということで、入社することにしました。
ちなみに、じゃあなんでこの情報を知っていてもっと早く転職しなかったのかというと、「年収」と「友人の会社に勤めるのちょっとイヤ」「労務ってよくわからんし楽しくなさそう」の3点です。これに関しては後述。
転職した感想
安心したのが、入社前と社風のギャップがなかったことです。
情報のオープン具合と自律駆動
聞いていたとおり、「上司との面談内容」と「他のメンバーの給与」以外は基本的に社内でオープンです。ただ、これが予想以上にオープンでした。
例えばSlackのチャンネルはどこのチームのチャンネルにも勝手に入れて、基本的にDMはほぼ使わないので社内のやりとりの99%ぐらいが誰もが見えるところでやり取りされています。また、自分が考えていることとかを完全に整理されていなくても、どんどんQiitaに記事にしてアップしています。たぶん社員のみんな、このオープンさにすごく共感しているのもあって、ある種偏執的なぐらいにオープンです。
例として、以下の記事に書いてある「いまのSmartHRの残念なところ」みたいな問題提起も、誰かが気付いたらみんなに周知して啓蒙活動していたり。
これが入社してからも大好きな社風の一つです。一従業員としての意見ですが、絶対情報はオープンにしたほうが働きやすいです。全部ダダ漏れにしておくと、なにかやるときに先回りして社内でつまんないネゴする必要とかなくなるし、経営層やマネージャーの言うことに共感しやすいので「やらされてる感」が劇的に減ります。ぜひもっと他の会社でも取り入れるといい気がします。
あと、情報をオープンにするのって自律駆動に大きく影響する気がします。SmartHRにはオープンさに加えてこの「自律駆動」をVALUEに掲げているんですが、だいたいメンバーみんな課題に思っていることは似通っていて、そうすると誰か手が空いた人やその課題が得意な人が我先にとなんか勝手に施策を打っている感じです。情報が同じだと「これやって上から駄目って言われることはないだろう」という線引の確度がかなり高いので、うまく行っているのだと思います。
ぶっちゃけると、だいたいスタートアップに入る人なんて手柄を立てたくて仕方がない戦国時代の兵士みたいな人の集まりなので、課題があると逆に「これ解決したらすげー手柄じゃん!」みたいな、逆にワクワクしてる人が多い気がします。(僕だけ?)
この自律駆動の事例で僕が好きなのが、最近やった以下のイベントです。
これ、エンジニアがガチで全然採用できていないという危機感から、「もっと世の中のエンジニアにSmartHRを知ってもらおう」という意図で、エンジニアチーム発案で生まれた企画です。おかげさまでめちゃくちゃ大成功したみたいです。 僕は営業チームなので全く関わっていないんですが、こういうの見るとみんなすごいなぁと思います。
「労務」という未知の領域の営業
ぶっちゃけ「労務サービス」の営業って一般の人からすると楽しくなさそうですよね。僕もそうでした。よく分かんないし自分が課題感持っていないし。そのため入社したときは「労務に興味がなくても諦めて頑張ろう」ぐらいなテンションでした。
しかし、これが意外なことに楽しい!良い意味で予想を裏切られました。
何が楽しいかというと、すごく改善のしがいがあるんですよね。労務領域ってめちゃくちゃIT化が進んでいないんですよ。どれぐらい進んでいないかというと、いまだに紙に記入して用紙を役所に提出っていうのがすごくたくさんあります。 これがSmartHRだとかなり解決できるんです。ITで効率化ってIT業界にいたら当然の話なんですが、労務はヤバイぐらい複雑で、会社・組合・役所でやり方がそれぞれなので統一化できてないので、こんなアナログ作業がこの時代にまだ残っているんですね。
なので、営業すると結構な割合で「そんなことできるの!?」と驚かれるし、導入したお客さんに感謝されることが多いです。これは素直に嬉しいです。でも全部解決できるわけではないので、さらに「あれもやりたいんだよなぁ…」みたいな意見を聞きます。そうすると「よっしゃ、開発陣にフィードバックしてできるようにするぞ!」という気になります。先回りして「逆にあれもきっとできないと困るよなぁ」みたいな考えも生まれて、いつのまにか労務にどんどんと興味が湧いてきました。
以前、とてもデキる営業マンの友人と飲んでいたのですが、その人は「どんなものでも売る自信があるし、なんならここに置いてある箸だって売れる。売れないものでも売れるようにするのを考えるのが楽しい」と言っていました。そのとき、僕はやっぱり根っからの営業ではないんだなと思いました。箸売れないもん。いや、その箸が魅力的なら売れるんですけどね。自分で魅力あると思っていないものを売るのって、やっぱり結構ストレスだと思うんです。僕はそうやって営業でナンバーワンにはなりたくないし、なれないなと思うのです。でも、今は純粋にSmartHRすげープロダクトだなって思うので、そのすごいものをいかに世の中のいろんな人に分かってもらうか、届けるかを考えるのはすごく楽しいです。
余談ですが、エンジニアの人ってクソなサービス作りたくない願望ってめちゃくちゃ強いと思うし、それが世の中に認識されてると思うんですよね。しかし、営業ってあんまりそういうの認識されてない気がします。
スタートアップのワクワク感
入社する前に、これも社長から何回か聞いたフレーズなのですが、「文化祭の一週間前ぐらいのテンションがずっと続いている」というのを言われました。だいたい僕も、1年働いた今までずっと同じ感想です。
SmartHRはBtoBの人事・労務向けSaaSなので、突然ユーザーがめっちゃ増えて売上ドカーンみたいなイベントは起こりません。なので、じわじわと成長していってる感じなのですが、このじわじわが文化祭の一週間ぐらい前の期待と高揚に似ています。
最初に入社したときは、「一つのパッケージサービスを売るだけだし、これ順調に行っても途中で飽きるのでは?」と思いましたが、全然そんなことはなかったです。営業に関わる点だけでも、この1年で「人数増えて仕組み化しなきゃ問題」や「ターゲットユーザーが変わってきたよね問題」や「新しく雇用契約書機能という追加プロダクトできた問題」や「競合が出てきた問題」などがあって毎日やりたいことだらけでみんな大変です。逆にそのあたりが機械的に営業するだけじゃなくてみんなで戦略を考えることができて、めちゃ楽しいです。
おかげさまでSmartHRというサービス自体は順調に成長しているので、それもあってこんなに飽きることが無い気がしています。(↓海外有名SaaSとSmartHRを比べたときの成長曲線)
僕が特にワクワクするのが、SmartHRの未来を他のみんなと話すときです。今のように順調に拡大していくのはそれも嬉しいのですが、もっと成長するとさらにいろんなことができそうなんですよね。これはネタバレになるので詳しく書くのが難しいのですが、SmartHRは「テクノロジーと創意工夫で社会構造をハック」し、「歴史に残る模範的なソフトウェア」を作ることを目標に掲げています。これが結構大げさではなくて、頑張れば、Googleが「1クリックで世界の情報へアクセス可能にする」とかFacebookが「よりオープンに繋がれた世界をつくり、シェアすることで、人々に力を与えること」とか掲げて、実際に実現しているのと同じぐらい、すごいことがSmartHRでもできると信じています。
僕は残念ながら営業という職種で自分で何かを作り出すことはできないのですが、僕がすごいと思うものを世の中にしっかり届けて、もっとすごいものを生み出せるようサポートするのが、この1年と、これからのやりがいです。
転職する前に不安だった点と、実際
だいたい大丈夫でした。どうにかなりました。
友達と一緒に仕事をするのが不安だった
SmartHRに入社するの悩んでいた理由の一つです。当時25人ぐらいだった社員のうち、社長と副社長と執行役員とCTOとマーケ担当が元々の知り合いだったんですね。だいたいの知り合いが上司に当たるわけだし、これ嫌だなーと思いました。 何が嫌かって、友達同士だったのにいきなり上下関係ができるわけじゃないですか。嫌ですよねー。
しかも、これまで普通に飲んでいた友達がいきなり社長で数十人率いていて、そこに混ざるとなると「負けた」感が強いですよね。これも嫌ですよねー。
で、入ってみてどうだったかというと全然気になりませんでした。みんな特に偉そうじゃなかったので、その点は感謝です。 「負けた」点については、正直入ってみて「思った以上にすごい会社だった」し、「思った以上にはるかにすごい経営者だった」ということが分かったので、もうそういうのどうでも良くなっちゃいました。
年収が下がるのが不安だった
ここはスタートアップあるあるだと思うんですが、ぶっちゃけ入社時に年収下がりました。でも、その後今は元に戻った感じです。 スタートアップってフェーズによっては、どれだけ成長していても都合、あんまり高い給与を払えないケースってある気がします。でも、会社が成長すれば上がると思っていたし、ストックオプションもあるし、急成長している会社で経験を積んだらその後で嫌になったら別の会社ですぐ雇ってもらえると思っていたので、まぁいいかと思って入り、割とそのとおりになっています。
なので、これから25人とかのスタートアップに転職しようとしている人は、「そういうもんだ」と思っていて良い気がします。 逆に、200人規模とかで安いんだったら「ずっと安い会社」な気はしています。
ちなみにSmartHRはストックオプションが破格なぐらい全従業員に配られれていて、評価と連動して配布されます。これがモチベーションにもなっています。僕が知る限り、この規模のスタートアップでこんな破格なことしている会社はないので、おいしいです。
さいごに
というわけで最後に一応広告を貼っておきますが、まだまだメンバー募集してます!正式応募じゃなくてカジュアルに話聞きに来たいってのもウェルカムなので、興味が湧いた人はぜひ会社見学に来てください!一緒に歴史に残るソフトウェアを作りましょう!\(^o^)/
おまけ1:入社一周年で寿司をおごってもらった
高い寿司をおごってもらいました!\(^o^)/ 人生で一番おいしい寿司でした。
社長と思い出話をしていたら、そういえば昔まだSmartHR社がKUFUという社名で、SmartHRもリリースされていなくて鳴かず飛ばずだった話になりました。
今でこそ社員数十名ですが、その頃は正社員として雇用している人は0人。 いろんなサービスを作りながら受託をやっていて、そのサービスのヒアリングとか受けたりしていました。
あと、受託案件を手伝っていたりしました。受託と言っても僕が手伝ったのはウェブサービスではなくて「モンスターストライクの攻略記事を書く」というもの。今思うとなんじゃそりゃ!という案件。それが今や経済産業省と話をしたりする会社になって、自分もその会社にいて、不思議なものです。
おまけ2:悪いところはどこ?
マジで今のところたいしたことが思いつかないので特に書けることがないです。
悪いところではないですが、将来への不安みたいなところはたくさんあります。競合に負けちゃったらどうしようとか、エンジニアちゃんと採用できないと新しい開発が一向に進まないなぁとか、このまま組織が拡大していってずっと楽しいままでいられるんだろうかとか、ちゃんと給料上がるのかなぁとか…
まぁ、どうにかなると思っているので全部許容範囲ですけど。
最近読んだ本まとめ
最近、Kindle Unlimitedに契約してからたくさん本を読むようになりました。その中でおもしろかったものだけ、忘れないように記録しておきます。
オール・ユー・ニード・イズ・吉良
タイトルが完全に出落ちかと思いきや、思いの外おもしろかったです。日本人が大好きな「忠臣蔵」の悪役・吉良上野介義央が映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のように何度も死ぬ度に同じ朝に目を覚まし、生き延びる策を模索する話。
元々は「小説家になろう」に投稿されていた小説で、著者はそれを加筆してKindle自費出版したようです。なので、表紙がアレなのはご愛嬌。
この小説の中で吉良は合計数百回の同じ日を繰り返すことになるんですが、こういう同じ日を繰り返すもの(このジャンルなんて呼べばいいんだろう)のツボをきちんと抑えています。それは、「読者の予想のちょうど良いタイミングで先を行くこと」。この物語でも、「暗殺されるならその前に逃げればいいだろ」とか「吉良邸に人いるんだからちゃんと戦えばいいだろ」とか、読者が思いつくことをちゃんと先回りして、吉良は確かめてくれます(そして死にます)。
誰もが知っている歴史上の悪役が主人公というのも良いですね。当たり前ですが、彼にもいろいろあったようです。
プロパガンダゲーム
いつか映画化されそうだな、と思う小説でした。
大手広告代理店・電央堂の最終選考では、男女8人で「政府側」と「レジスタンス側」の2チームに分かれて、仮想空間(SNS)上で戦争の賛否に関してプロパガンダを行います。二時間の中で、それぞれのチームはポイントを使って情報を入手し、それを元に自チームが有利になるようにSNS上の民衆を扇動していきます。
ゲーム上の仮想国家は「パレット」なんですが、あからさまに日本なんですね。そして、戦争をしかける対象の隣国「イーゼル」は明らかに北朝鮮。戦争賛成か反対かなんて今の日本で展開しても反対の主張が通るに決まっているだろ、と思いきや、「プロパガンダってこうやるのか!」となるほどと思うような展開でした。
読んでから二週間ぐらい経ちますが、印象に残っているのは以下の2点。
- 戦争を行おうとプロパガンダをするときに、「平和」を訴求するのは常套句。世界中の戦争は、自国は「平和を取り戻すため〜」とか主張して行われる。
- 「平和」より「戦争」のほうが具体的な状況がイメージしやすい。
表現次第で、正しいも正しくないも分からなくなるものなんだなぁと改めて思いました。オチもきれいにまとまっていました。
天空城殺人事件: ~もしRPGの世界で殺人事件が起こったら。~
タイトルのとおり、「もしRPGの世界で殺人事件が起こったら」というミステリーです。最初は世界設定に関する情報量が多すぎてどう楽しめば良いのか分からなかったんですが、「ミステリーのアリバイや殺人方法がRPGになったんだな」と理解してからは楽しく読めました。例えば、凶器が鋭利な刃物だった場合、「格闘家は武器を装備できないから犯人じゃない!」とか。
普段僕はほとんどミステリーは読まないので好きな人には邪道に感じるのかも?しかし、ドラクエ世代としては純粋におもしろかったです。トリックも頑張れば分かる範囲かと。
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老舗ドレッシングメーカーで企画部から左遷された主人公・池田が、会社を去った前社長の元で修行を積みながら、リーダーというものについて学ぶお話。社長の世代交代に伴って社内が分裂していく中で、中堅社員である主人公がどう主体的に行動し、会社を変えていくかがめちゃくちゃおもしろいです。内容も分かりやすいので、一冊一気に読めます。
Amazonですごい高評価。「リーダーシップについて学べる!」とか「ビジネス界が絶賛!」とか書いてありますが、僕はその点に関しては島耕作ぐらいな感じで捉えています。ちょっと誇張とご都合主義が強い感じ。
登場人物の性格や話の展開は類型化されているのですが、しかしそれがリアリティがあります。著者は野村證券の元支店長、SCSKの元副社長だったんですね。さすが。