映画「凶悪」を見た。

映画、「凶悪」を見ました。私用ですが今から角煮を作らなければならないため、時間がないので短めな感想です。

 

凶悪 [Blu-ray]

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こちらも先日の日本アカデミー賞でいろいろ賞をとっていたので見てみたのですが、結論から言うとあんまりおもしろくなかったです。

 

 

物語は、ほぼ死刑確定の囚人・ピエール瀧 がジャーナリストの山田孝之に「死刑にして欲しい人物がシャバにいる」と伝えるところから始まります。ピエール瀧はいろんな人を殺したのですが、そのうち発覚していない、警察にも言ってない3件の殺人があり、それに「先生」と呼ばれる人物(リリー・フランキー)が関わっているのだと。

タイトルの「凶悪」という言葉通り、ピエール瀧が分かりやすい体育会系悪党、リリー・フランキーが文化系悪党でいろんな人を金目当てで殺しまくる話。その悪党描写がすさまじくて、ピエール瀧は息を吸って吐くように人を殺し、リリー・フランキーは飲み会でバカ話でもするように笑顔で人を殺す。

これが物語の3分の2ぐらい続くので、残酷描写に抵抗のある人はもちろんダメでしょうが、そうでもないと思っていた自分も、単純にムカつくやつらが楽しそうに殺人してるシーンをずっと見ていてちょっと受け付けない感じでした。

物語の終盤では、本当の悪は誰の心にも潜んでいてまた悪を憎む心というのが独善であるという指摘があったりして、映画としてはとても骨太な感じがするんですが、上記の3分の2の部分が胸クソ悪すぎて嫌な気分ばかりでした。

 

超ネタバレになるんですが、映画のピークは山田孝之の妻役の池脇千鶴が山田に言うところ。「あなたは事件を追っかけるのが楽しくてやってるんだよね?私もこの記事を読んで楽しかったよ」。これはつまり、悪を糾弾している山田も、その報道を熱心に見る人達も、この映画で凶悪っぷりをわざわざ見に行く人も、本音では悪を楽しんでいるまた別のゲスさがあるという主張です。

この流れは素晴らしいと思ったのですが、しかし僕は上記のように胸クソ悪かったので、「俺は全然楽しくねーわ!」という気分しかありませんでした。

 

点数は50点。