公務員の賃金をいくら引き下げてもいいって、それなんて奴隷制度?



僕は別に人事の専門家でもないし転職市場に詳しくもないし労働基準法も詳しくないけど、これはちょっと違うんじゃないのかなーと思ったので書きます。


公務員の賃金をいくら引き下げても構わない理由 - Joe's Labo http://blog.goo.ne.jp/jyoshige/e/cfe86d13b5103d8cf8e1b72a3e754a0b

この記事の中で、こんなことが書かれています。

一方、日本は職能給という属人給であり、市場価格ではないから、属する組織の格がモノを
言う身分制度だ。
つまり「公務員という身分に対し、国民がいくら払う価値があると考えるか」
が唯一の正統性なのだ。
だから、国民が賃下げしろと言えばするしかないし、公務員賃金半減を掲げる政党が政権を
とれば5割カットするしかない。


本来なら、彼らは労働市場にアクセスし、転職という武器を使って賃金水準を維持するのが筋だ。
でも「派遣の規制と正社員化」というアホな提言を見ても明らかなように、彼らはあくまで
身分制度を死守する構えのようだ。
「賃金下げたら景気が〜」などという噴飯モノの言い訳は、「辞めるぞコノヤロー」と言うに
言えない窮状から絞り出された屁理屈に過ぎない(屁理屈にすらなっていないが)。

うーん、この理屈は全然わからない。


労働市場に流動性がないのって別に公務員だけの責任じゃないでしょ。
現時点で公務員が流動性がないんだとしたら、いきなりそこだけ低賃金にして搾取して彼らは逃げられもせず、どうするつもりなんだろう。
それに、この理由だと、例えば「最低賃金」という概念とか、労働基準法ってほとんどいらなくならないじゃないですか?こんなこというなら、民間企業だって同じですよね。例えば経営者が「うちの会社経営やばいんで、これから全部残業代ってなくします!でも働いてね!休んだらクビにするよ!時給300円ね!嫌なら転職すれば?
うわー、何そのブラック企業!日本という国は、ブラック国家だったのか!

「嫌ならやめろ」ってのは、強者の理論です。他につぶしが利いたり、余裕があったりする人が言える意見です。


僕がこの記事を読んで受けた感想は、「あぁ、また公務員叩きか」というものです。
不景気になるとすぐ出てくる、あれ。「あいつら何もしてないくせに高給取りで安定してやがる」って、あれ。

こんな議論、もう何十年も前に通りすぎてると思ってました。


※ちなみに、これは公務員の賃金引下げに対する批判ではありません。「公務員の賃金をいくら引き下げても構わない」という理屈に対する批判です。