なんでめでたい日にケンカ売ってんだろこの人達、と思ったら(新成人への社説)
この記事が相当おもしろかったので、紹介します。
成人の日の社説がウザい件 - テラの多事寸評 http://d.hatena.ne.jp/thinking-terra/20110110/1294657156
うわー!とびっくりしました。並べてみることにより、ずいぶんと適当な仕事してたのがバレちゃった感じでしょうか。たぶんこれ一つの社説だと、ちょっとムカっとして終わりだったんだろうけど、3つ並べてみると「こういう方向性なんだなー」と強調されますね。
成人式のめでたい日に、何この人達言いがかりつけて上から目線でケンカ売ってるんでしょうね。こういう大人には絶対なりたくないな。これが、仮にも日本の報道機関のトップなんでしょうか?
で、なんでこんな社説が通ってしまうのか、これ誰か止めないのか、読んだ人がどう思うか考えないのか、と疑問に思いましたが、ちょっと考えたら納得しました。
たぶん、以下の2点があるから問題ないんでしょう。
- 新聞の読者は年齢層が上の人達だから、これを読んでも「あぁ、そうだ、若者はもっと頑張らなくちゃいかん!」という感想しか出て来ない
- みんな悲観主義の社説を求めている
1に関して。各紙の読者の年齢層ってどっかにデータあるんですかね?日経新聞がまともなのは、実は若者読者が多いからだったりして。
2に関して。僕もこうやってこの社説に文句を垂れてるってことは、やっぱこういうのが興味を引くのでしょうか。
で、とかなんとか自分の中で納得すると、今度は逆に気付いちゃったんですけど、自分も「年寄りはこういうのを求めているだろなーw」とかって思っちゃってるんですね。もうすでに同じ穴のムジナです。ひどいな自分!
こういう年寄りと若者のけなし合いマーチって昔から続いているイメージです。これって、根本的にはお互い歩み寄らない中で、空想上の相手のイメージを勝手に敵として捉えて殴り合いしてる感じですね。なんだろう、異文化コミュニケーションもっとできないのかなって思います。
なーんて
そんな感じのことをブログに書こうと思ったら、やっぱり納得がいかなかったので、原文読みたいなと思ったら、普通に元記事にリンクが貼ってありました。
- 新成人へ 世界に大きくはばたこう : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110109-OYT1T00643.htm
- asahi.com(朝日新聞社):社説 http://www.asahi.com/paper/editorial.html
- 社説:成人の日 古い船を動かせるのは - 毎日jp(毎日新聞) http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110110k0000m070098000c.html
で、ここでまたまたびっくりしました。普通にいいこと言ってるじゃん!
なんか、上の記事はおもいっきりダメなところばかり抜き出しているから、ムカついてみえるけど、原文はあんまりうざくなく、許容範囲。普通に新成人へのエールだと読み取れますよ。(試しにぜひ読んでみてください。それでもムカつく人はいると思うけど、僕はこれぐらいならムカつきませんでした。)
元の記事、Twitterやはてブでいろんな人がコメントしてますが、その人たちって原文読んだんでしょうか?僕も含め、盛大に元記事に釣られてしまったような予感がしてしまって、もしそうだったらなんか残念というか申し訳ないというか。僕は少なくとも、タイトルだけで中身を予想して読んでいたので、ものの見事に脊髄反射して新聞に怒っていました。
まとめると、
新聞が若者と年寄りのケンカに燃料投下していると思ったら、実は元記事がネットユーザーの新聞への攻撃に燃料投下していた感じ。
お口直しに
僕がTwitterで悲しんでいたら、友人の@maytantが素敵な文章を紹介してくれたので、みなさんこれで気分を良くしてください。
新成人、おめでとー!
■司馬遼太郎さん「二十一世紀に生きる君たちへ」 http://www13.ocn.ne.jp/~mgu/contents/shiba.html
もう、最後の文章だけでおなかいっぱい。
(前略)
以上のことは、いつの時代になっても、人間が生きていくうえで、欠かすことができない心がまえ
というものである。
君たち。君たちはつねに晴れあがった空のように、たかだかとした心を持たねばならない。
同時に、ずっしりとたくましい足どりで、大地をふみしめつつ歩かねばならない。
私は、君たちの心の中の最も美しいものを見続けながら、以上のことを書いた。書き終わって、
君たちの未来が、真夏の太陽のようにかがやいているように感じた。