明日から仕事頑張ろうという気になるドラマ「先に生まれただけの僕」

櫻井翔主演の「先に生まれただけの僕」がすこぶるおもしろいです。

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※画像はリンク先から

www.ntv.co.jp

 簡単に説明すると、敏腕商社マンの櫻井翔が左遷されて傘下の高校の校長先生になるというお話。その傘下の高校がこれまた微妙な学校で、偏差値44で毎年定員割れ。教師もあんまりやる気がない。それを、これまで子会社の赤字を立て直したりした櫻井翔が、ビジネスの手法を使ってあの手この手で盛り立てていくドラマです。

主演が櫻井翔なので軽そうですが、毎回見終わったあとの気分は下町ロケット見た後のような気分にさせられます。雰囲気は全然違うんですけど。ようは複雑な課題を持った現場を、有能な指揮官が立て直していくんです。リソースの無いチームが知恵と工夫でどう乗り切るかという、教育業界にビジネスを取り入れたと見せかけたビジネスのドラマです。(ややこしい)

 

この櫻井翔の人物像がめっちゃ良い。

上記の説明だけだと、スーパーエリートサラリーマンがビジネスの手法で異業界をバリバリ改革していくと想像するんですが、そうでもないんですね。しょっちゅう「ビジネスの現場ではこんなやり方は通用しない」みたいなことを言うんですが、 どちらかと言えばビジネスで培ったやり方は空回りばかり。「経費削減が〜」とか言っても誰も聞いちゃくれないし。なので、序盤から櫻井翔はため息ばかり。堺雅人阿部寛のように自信満々なリーダーではありません。でも、そこがリアリティがあります。

そして、彼は別の部分ですげー有能なんですね。目標に対して「うまくやる」力がすごく強い。目的を達成するためにあらゆる手法を使うし、自分が恥をかくこともするし、目下の人の意見も取り入れる。例えば、第3話でアクティブラーニングという授業のやり方の話があるんですけど、最初「これだー!」と思って自分で教壇に立ってやるんですが、これが思いっきり失敗。で、パッとしない地味な教師の中に海外でアクティブラーニングを学んでいた人がいて、彼のやり方を教えてもらって、うまくいく。こういうトライ&エラーを偉くなっても実践できたり、自分よりある分野で賢い人に教えを乞うことができるのが「あー、こういう人いるわ。リアルにこういうのできる人、めっちゃやり手だわ。」って思わせられます。

 

そして、この校長役の櫻井翔がまさに櫻井翔のイメージそのまんまでとてもよく似合っています。賢くてイケメンで嵐で冷静に考えると超成功者だけど、バラエティで有吉にいじられる櫻井翔そのままの感じ。

 

また、このドラマで僕が好きなのが、悪役がほとんどいないところです。一人憎まれ役の専務として高嶋政伸が怪演をしているんですけど、基本的には多くの問題は、別に悪気のない人達の間で起きている。

例えば、学校の授業がよくならないのはやる気のない教師がいて、その人達が旧態依然としたやり方を続けています。でもそのやる気のない人達は別に特別な悪意があってそうしているわけではなくて、ただ自分を変えるのがめんどくさいから、学校が良くなることに無関心だからそうしているんですね。

前に「足を引っ張る味方が出て来るストーリー」についてネットで話題になったことがありました。

mubou.seesaa.net

これ、上記の内容は戦争ドラマとして全面的に同意なんですが、むしろ実社会だと「足を引っ張る味方」がほとんどだと思います。というか、別にみんな足を引っ張ろうと思って引っ張っているわけではなくて、それぞれが自分の正しいことをやった結果、なぜかうまくいかないってことのほうがほとんどというか。

それをうまく取りまとめて一つの方向性に進めるのがリーダーの理想像な気がします。なので、このドラマを見た後はいつも「明日も頑張ろう」という気にさせられます。

 

ドラマは今、第5話まで放送しています。視聴率があまり良くないようで残念。それはちょっと思い当たるところもあって、1〜3話までが盛り上がりにかけるんですよね。上記のように分かりやすい敵がいない上に、1話目なんて良い話のあとに現実的なオチがやってきて、あまりスカッとしない部分があるので。

 

でも、4話と5話は掛け値なしにおもしろいです。4話では、授業がおもしろくなったのが一・二年生で、受験間近の三年生から不満が出てきて、それに対して櫻井翔が10分間説教するシーンがあります。詳しくは以下のリンク。

www.excite.co.jp

 

5話は、以前開催して全く盛り上がらなかったオープンキャンパスを生徒主導で再度やり直そう、という話。これまでにだんだんと櫻井翔を賛同する教師も増えていく中で、今度は生徒も櫻井翔フォロワーになります。これがまさに、部下に責任ある仕事を任せて成長させるというような感じで、一時間かけてラストに向かって盛り上がっていく神回でした。

その部下(生徒)を盛り立てるために「ペップトーク」という手法が出て来るんですが、下の本がまるでステマかよっていうぐらい出てきて、これドラマの影響でバカ売れするんじゃないかってぐらい欲しくなります。

心に響くコミュニケーション ペップトーク

心に響くコミュニケーション ペップトーク

 

 

ということで、5話が盛り上がりすぎて来週以降やることあるのか?と心配になりますが、これからも見続けます。ちなみに、Huluで全部見られますので興味ある人はぜひ!