映画「アバウト・タイム」見たよ

アバウトタイム見ました。「ラブ・アクチュアリー」とかラブコメの脚本やら監督やらをたくさんやっているリチャード・カーティスの監督&脚本の映画です。

 

 


映画『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』予告編 - YouTube

 

 

あらすじ

イギリス南西部コーンウォールに住む青年ティムは、両親と妹、そして伯父の5人家族。どんな天気でも、海辺でピクニックを、週末は野外映画上映を楽しむ。風変りだけど仲良し家族。しかし、自分に自信のないティムは年頃になっても彼女ができずにいた。そして迎えた21歳の誕生日、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父から知らされる。そんな能力に驚きつつも恋人ゲットのためにタイムトラベルを繰り返すようになるティム。弁護士を目指してロンドンへ移り住んでからは、チャーミングな女の子メアリーと出会い、恋に落ちる。ところが、タイムトラベルが引き起こす不運によって、二人の出会いはなかったことに!なんとか彼女の愛を勝ち取り、その後もタイムトラベルを続けて人とは違う人生を送るティムだったが、やがて重大なことに気がついていく。どんな家族にも起こる不幸や波風は、あらゆる能力を使っても回避することは不可能なのだと。そして、迫られる人生最大の選択——。

 

感想

あらすじでも分かるとおり、これは主人公がタイムトラベルをするお話です。しかし、タイトルもイメージも、SFっぽくは売り出していません。DVDの表紙はこんな感じですからね。

 

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 これはまた日本に輸入する時によくある、売れるためにSFジャンルを他のジャンル風に売り出す手口かよ、ファック!と思ったら違った。どちらかというとあらすじのほうが詐欺で、タイムトラベルするSFと見せかけて人生と家族愛についてを語ったラブストーリーでした。

いや、実際タイムトラベルはするんですけど、それがめっちゃおまけなんですね。

普通は、上のあらすじを読むと、「タイムトラベルすると誰かが死ぬとか重要な制約があるんだな?」とか「タイムトラベルして過去改変するのがばれて、政府に命を狙われるんだな?」とか想像するじゃないですか。そういうの、一切ナシ!

21歳になって唐突にタイムトラベルできるようになった主人公がやることといったら、「好きな人への失敗した告白をやり直す」とか「好きな人へのナンパの失敗をやり直す」とか「初セックスの失敗をやり直す」とか、もうやることが超ちっちゃい。mixiの株とか買えばいいのに。でも、それがこの映画の、この主人公の生き方なんですね。別にタイムトラベルででかいことがしたいわけでもない。ただ自分の周りの人たちと、幸せに暮らしたいだけなのです。

で、主人公は無事に結婚して子供も生まれます。この辺はタイムトラベル連発でひたすら人生が上手い方にいくので、主人公無敵すぎてワンパンマンを見てる気分でした。その幸せ無双シーンも十分幸せのおすそ分けで見ていて楽しいんですが、しかし気になってしまうんですよね。映画としてどこでどんでん返しが来るのか、と。

結末は意外なところにありました。それは、父親の存在。あらすじにもあるように、主人公の一家の男はみんなタイムトラベル能力があるのです。ある事件をきっかけに、父親と向き合う主人公。父も、主人公と同じくおそらくこれまでに何度となくタイムトラベルをして、そして今のように生きてきたのです。詳しく話しちゃうと全部ネタバレになってしまうですが、そこから主人公がタイムトラベルなしで「どう生きるか」を考えるあたりが最高にグッときます。

これこそがこのアバウトタイムという映画の素晴らしいところで、結局彼のやった小さなたくさんの過去改変ってのは、別に映画上いらないことなんですね。あのタイムトラベルって、別にタイムトラベルしてなくても一回目の人生でもできていそうなことばかりだし。しかし、数々のタイムトラベルをする中で、そんなものなくてもどれだけ人生が素晴らしいか、家族と一緒に年老いてゆくことが素晴らしいかを気付くのです。

 

下の画像はどしゃぶりの大雨の中で笑い合う主人公と奥さん。このなんてことのないシーンは、映画を見る前はなんだこの見当違いな画像は、と思っていたのですが、見終わってから見返すと、まさにこの映画で伝えたい人生の喜びを表現しているのだな、と分かります。

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監督&脚本のリチャード・カーティスはこの作品で監督を引退するそうで。ラブコメ撮りまくってきた彼が、最後にこんな素敵な人生賛歌を作り上げるとは!

 

また、ヒロインを演じるレイチェル・マクアダムスが超絶かわいいです。主人公が彼女と初めて顔を合わせるシーンは、暗闇バー(ダイアログ・イン・ザ・ダークみたいなもの?)で意気投合し、その後バーから出て初めてお互いの顔を見る、というシチュエーションなんですが、そこのレイチェルがすごくかわいい。前髪を切りすぎたと抑える家の女ですが、もういいよどんどん切りすぎてくれ。その後も主人公と付き合って、どうのこうのするまでずっとかわいいですが、この彼女を見るだけでこの映画を見る価値ありです。画像だと全く良さが伝わらないので、ぜひ動画で見て欲しいです。

 

評価

70点(100点満点中)