「ゼロ・グラビティ」が映像以外全くおもしろくなかった件。

2013年末公開の映画ながら、各所で2013年一番の名作と評価されている話題の映画、「ゼロ・グラビティ」を観てきました!感想は一言でいうとタイトルのとおりなんですが。

 

適当なあらすじ

ライアン博士(サンドラ・ブロック)とコワルスキー(ジョージ・クルーニー)は他の仲間と宇宙でなんか作業やってる宇宙飛行士。作業中にスペースデブリ(宇宙のゴミ)が自分たちの元に急接近してると連絡が入り、逃げようとするが間に合わず、宇宙船は大破。仲間たちも2人を残して全滅。そこから、2人でなんかいろいろがんばって地球へ帰還しようとする話。しかし、燃料もあんまりないし寒いし90分したらまた次のデブリ来るし、超孤独でがんばらないといけない。


映画『ゼロ・グラビティ』予告5【HD】 2013年12月13日公開 - YouTube

 

感想

あんまりおもしろくなかった!

僕は川崎の映画館でIMAX 3Dで観たのですが、たしかに映像はやばかったです。まず最初に褒めておくと、たぶんこの映像の凄さってのは、ただ単純に凄いというよりも、映画におけるエポックメイキングというか、今後宇宙を題材にした映画は全部このゼロ・グラビティを参考にするだろうな、というようなレベルの凄さでした。それは例えばマトリックスのスローモーションアクションが誰もが革命的だと感じたようなレベルで、今後「ゼロ・グラビティ前・後」と区別されるような、そんな感じ。

何がすごいかって、その没入感。カメラワークの多くが主人公視点で繰り広げられるのですが、その無重力体験が、まるで本当に自分が宇宙に放り出されているよう。日本でのタイトルは「ゼロ・グラビティ」ですが、現代は「GRAVITY」、つまり重力。だけど、もっというとこの映画の凄いところは「加速度」を感じるところかなぁと思いました。

ふわふわとした重力がない空間もそうですが、宇宙船につながったワイヤーに引っ張られて、単身主人公が宇宙空間で作業をするシーンとか、めっちゃワイヤーに引っ張られている感が伝わるんですね。主人公が宇宙船に乗っているときも、発進する瞬間に感じる後ろに引っ張られる感触とか。そういうのが全部自分の実体験のように感じるから、主人公が置かれた状況のヤバさとかも迫力を持って感じられるのかなぁと思いました。

さらに言うと、結局主人公は地球に戻って来れるんですが、その瞬間、まさに宇宙から地上に降り立った瞬間の、地球の重力を全身に感じて地に立ち上がる瞬間!このときに感じる重力感はまさに百聞は一見に如かず、どれだけ言葉にしても観ないと感じることができない体験です。

 

と、まぁここまで褒めちぎっていて何なんですが、映画は正直退屈でした!

だってストーリーが「事故った、やべぇ!」⇒「別の宇宙船まで移動して地球に戻るぞ!」だけで、その間宇宙移動するのつれーわー、ぐらいしか起伏がなくて、オチも読めちゃってますからね。

偉い人たちはこの映画をその途中の様々なエピソードについて、これはこういう哲学的意味があるとか感じられている人もいるようですが、僕はあんまりそうは感じず、単純に退屈でした。90分ぐらいの短い映画なのに、退屈するなんてすごい!

 

なので、この映画の価値って、映画としてのおもしろさではなくて、遊園地のアトラクション的なすごさだと思うんですね。1800円とか払って体験しに行くのは、映画を観るというよりも、スペースマウンテンに乗るような気分。でも、スペースマウンテンって10分も無い体験だからすげーって思いますけど、さすがに90分乗るとね、いかにすごくても飽きるよね…

ただ、逆に言うと映画ってこういう価値提供もできるんだなぁという意味でも革命的でした。3Dがここまで洗練されてきたら、今後こういうアトラクション的なノリで観に行きたい映画ってのもたくさん出てくるのかなぁ。

 

評価

65点(100点満点中)

 

関連して

宇宙飛行士とスペースデブリと言ったらやっぱりこの漫画ですよね!こっちはめちゃくちゃおもしろいです。

 

プラネテス(1) (モーニングKC (735))

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