「進撃の巨人」がボロクソにけなされてもまだなお僕の中で光り輝いている件について

最近マンガ好きの中で良くも悪くもとっても注目されている作品といったら、間違いなく「進撃の巨人」だと思います。

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)



このマンガがすごい! 2011で大賞とって一躍スターダムにのし上がった感じですが、普段こういう大賞とかとった本だと天邪鬼な僕はつい嫌ってしまったりするんだけど、これが本当におもしろい。

あらすじはこんな感じです。

巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。

いや、もうなんで巨人が出てきて人間が食べられるのか意味がわかんない!で、巨人って実はいいやつだったりするんじゃないの?なんて妄想を読む前には思い浮かべていたりするんですけど、そんなことはない人間の天敵。というか、全然いいも悪いも巨人にはなくて、人間をパクパクパクパクと居酒屋でフライドポテト食べるようなノリで食べちゃう。超怖いです。
とにかくそのよくわからないオリジナリティーに惹きつけられて、怖いんだけど、ついつい読むのを止められない中毒性を持った作品です。「巨人ってなんなのこれ?」とか、「マジこんなやつに勝てるの?全員死んじゃうんじゃないの?」みたいな感じで、グロいんだけど、やめられないとまらない。かっぱえびせん


で、そんな進撃の巨人の批判がはてブにあがっていました。




諫山創進撃の巨人」 を絶賛する「自称漫画好き」には右端脚を見舞うべき。 « おれせん。 http://oresen.sakura.ne.jp/2011/01/23/4063842762/


やめられない、とまらない、と思って食べていたかっぱえびせんが、ここでは「クソ」だとディスられていて、これを持ち上げる人たちは「クソの周囲を飛び交うハエ共」と言われてしまって、これはびっくり。

で、批判の理由というのが、

1) 大人が考えなしのバカ、悪人として描かれる人間も考えなしのバカ
2) 巨人の設定(弱点)や行動原理がご都合主義
3) 本編で語っていない(かつ本来は重要なはずの)設定情報を単行本のおまけページで明かすというやり口

らしいのですが、詳しくは上のリンク先参照。

で、僕はこれを読んだ時、なるほどー、と感心しました。言っていることは全部正しいんですね。しかし、僕が何に感心したかというと、こんなふうに批判されても、別にこのマンガの面白さって揺るがないなー、というところです。マンガっておもしろいですね。

大人が考えなしのバカで悪人なところは、鼻につくといえば鼻につくし、巨人に砲撃が効かないのも読んでるときから意味不明と思っていたし、設定情報を単行本で明かすやり口も謎というか、この設定自体がツッコミどころ満載なのですが、それでもおもしろい!

これってなんなのかな、と思ったんですけど、よく考えたらおもしろいマンガってわりとそういうものなのかなーと思いました。ツッコミどころが無いマンガのほうがおもしろいわけではない。設定がご都合主義だからって、そっちのほうが燃える場合もある。登場人物が考えなしのバカで悪人だからって、…あ、それはちょっと嫌だけど、まあ許容範囲。

上記の批判を受けるマンガでめっちゃ売れてたり名作のマンガってたくさんあると思うんですよ。
例えば、NARUTOはフォーマンセルだのなんだの言ってるくせに初期はロクに集団リンチせずにちゃんと一対一で戦っていたりとオツムが弱かったり、幽☆遊☆白書とか結局妖怪は悪いヤツかと思ってたらみんなそこそこイイヤツだったなんて超ご都合主義だし、HUNTER×HUNTERとかグリードアイランドでなんでマンガなのに説明書みたいなのイチイチ読まなくちゃいけないんだよとかいろいろあるんだけど、全部そんなの飛び越えておもしろいですからね。

また、よくこのマンガは絵が下手だと言われていて、僕も1巻を読み始めたときに絵の下手さにびっくりしました。「ヘタウマ」とかじゃなくて、下手なんですね、たぶん。でも、こんなにも下手な絵なのに、それでもこれだけの名作となりうるんだなーと思うと、マンガにおける画力というものについても考えさせられました。逆に、たまにめっちゃくちゃ上手い絵のマンガってありますけど、別にそれが素直にマンガのおもしろさにつながらないですよね。例えば、この人の絵がそのまま小畑健になったり井上雄彦になったりしても別におもしろさは変わらないんだろうなーと思います。
この安っぽい、絵柄がいいんじゃないですかね?なんていうか、駄菓子みたいな。高級フレンチばっかり食べたいわけじゃないんですよ。やっぱ。



まとめ

長々と書いたわりによくわからなくなって来たんですけど、つまり、マンガのおもしろさの要因ってよくわからなくて、というか、「ここがこうだからおもしろくない!」っていうのは全然当てはまらないんだなーと思いました。
たぶん、ロジックが違うんですよ。「ここがこうだからおもしろくない!」ではなくて、「おもしろくない!なんでだろう?ここがこうだからかな?」って感じでみんな理由探しているんでしょうかね。
だから、上記の批判をした人が感じたおもしろくなさも真実、僕がおもしろいと思うのもまた真実。


というわけで、おもしろいおもしろいと連呼しているわりにあんま説明がないんですけど、ホントおもしろいですから。オススメです。